弊社は輸出用の和牛を扱っているのですが、台湾の業者から果物と魚で新規参入するから見積もりが欲しいと依頼があったので、知り合いの貿易会社に問い合わせてみました。答えは予想通り、青果物と水産物は、和牛と違って値動きが激しいので、見積もりに向かないということでした。もしどうしても見積もりを出さないといけないのなら高めに設定することになるので、見積書を受け取った業者も高いから取り引きをしてもらえないし、逆に安く設定すると赤字になる恐れもあるので、新規参入はなかなか難しい世界のようです。

では、既存の貿易業者と仕入れ業者はどうしているかというと、長年の付き合いもあるのでお互いの事情をよく理解しており、たとえ金額が高くても「今回は高かったですね」の一言で済むとのこと。お互いに持ちつ持たれつの関係ですから、一時の損得で動くと取り引きは続かないことになります。そういう意味で、季節や天候で値動きが激しい青果物と水産物は扱いにくい、というか異業種からの新規参入は難しいアイテムなのではないかと思います。

では和牛はどうなのかというと、和牛も枝肉になった段階でのセリがあるので値動きはありますが、青果物や水産物に比べたら影響する要因は少ないように思います。もちろんどこかの国が買いあさり始めたら高騰するでしょうけど、それはよほどのことですし、そうたびたび起こることでもありません。ある程度の予測もできますし、対策も打てるでしょう。なので和牛に関しては、青果物や水産物と違って、事前の見積もりも出すことができます。もちろん少しずつ価格が変わるので、一か月ごとに価格を変えていく必要はありますが、出たとこ勝負というわけでもありません。

起業and新規参入で考えたら、青果と水産は絶対に不利、むしろ和牛の方がやりやすいです。時に新興国につながりのあるような方でしたら、今の内から手を打っておいた方がいいですね。いずれ市場が開けてきますから。