世界中で品質の良さが認識されつつある和牛ですが、どこの国が一番日本の牛肉を輸入しているでしょうか?かつては香港が日本産の牛肉の輸入でトップでしたが、現在では意外にも意外な、東南アジアのあの国なんです。

それはカンボジア。ここ数年2位の香港をぶっちぎりで引き離してトップの座を占めています。経済的にも急成長のカンボジアではそれほど日本食ブームなのでしょうか?

アンコールワットがあるカンボジアには、コロナ以前は毎年多くの日本人が訪れていて、日本食レストランも幾つかありました。しかし、現地のカンボジア人が和牛を食べるわけでもなく、そこで消費される量はたかがしれています。

財務省の貿易統計によると、2020年4月-12月期に日本から輸出された冷凍牛肉の48.9%がカンボジアに向かっているようです。(冷蔵牛肉も合わせると状況は少し変わりますが、それでもカンボジアがトップであることに変わりはありません。)一方でカンボジア国内での消費はほぼ0%という状況です。では、いったいどこに消えてしまったのでしょうか?

感がいい方はピンときたかもしれませんが、カンボジアの近隣にあるあの大国に流れて行っているようです。その国はBSE問題以降、いまだに日本からの牛肉の輸入を正式には再開していませんが、高値で取り引きできるため非公式のルートで大量に流通しています。

その国は本当の和牛の消費大国であり、しかも日本の牛肉輸入再開は目前にせまっています。2020年には再開される予定でしたがコロナで延期になりました。現在は輸入再開まで秒読み段階といえます。